ピアノがクレーンで来たよ〜
これは私の30歳を越える可愛いピアノです。
先日のレッスンでのこと。
「あのね、あのね、先生と同じピアノがね、クレーンで来たんだよ」とピアノ男子がお話ししてくれました。
おお!来たんだ!クレーンで上の方にピアノあるの見た?どうだった?
「おとーさんが怖がってたよ」
落ちないかな?ってキミは怖くなかったの?
「あのロープが切れたら落ちるよね?」
あのロープは切れないよ〜すんごい丈夫なんだよ〜。金属だし!
「でも剣で切ったら切れるよ!で、落ちちゃうんだ!」
えーきれないよ〜そんな剣ないよ〜
「切れる剣あるよ!」
どんな剣だよ〜〜!
と、またピアノが入った話より「剣」の話に脱線してしまいました・・・
違うじゃん、せんせー。ちゃんとピアノのお話しないと!ピアノの先生なんだから!
ってことで、乱暴に扱って壊すとお父さんでは直せないこと、専門の人に来てもらってちゃんと修理しないと音が出なくなっちゃうこと、鍵盤は外そうとしないこと、などなど。
男子がやっちゃいそうなことは一応話しておきました。
ま・・・一応ね・・・
お母さんにも「おめでとうございます」とメールをしたところ、思ってもみなかった温かいお話が聞けましたので、皆様にも〜。
実はピアノは新品ではありません。
私はそもそも新品でも中古でも、どなたかから譲ってもらってもいいですよ〜とお話ししています。
なんとね、お母さんが初めて習った先生がグランドに買い換える時、先生から譲り受けたものなんだそうです。
「とても思い入れがあるピアノだから、顔のわかる相手に引き継いで欲しいと譲り受けたのよ」とお母さんはご自分のお母さんから聞いたそうです。
その先生がそのピアノをとても大切に大切にしていたのが伝わる言葉ですね。
お母さんはその言葉を聞いて、そこまで・・・と少々焦ったそうですが。笑
わかりますよ〜。私がその先生と同じ立場になったら「このピアノを可愛がってくれる方に」と思いますし、恩師にそう言われて譲られたらビビります。でも、身が引き締まりますよね。
恩師から譲り受けたピアノをまさか我が子が弾くとは想像もしてなかったですよね。
ピアノってそうやって手を入れて使っていけるんです。
ピアノも喜ぶし、恩師もとても喜んでくれていると思います。
私の昔の生徒ちゃんも親になっている子がいて・・・
お母さんから「たまに弾いているんですよ。でもこっそりなんですよ。笑」と教えてもらうと、心がジンジンしちゃいます。
お母さんが使っていたピアノを使ってる子は、この子の他にもいますよ。
そうやって引き継いでいけるのが、ピアノの良いところですよね。
あ!エレクトーン姉妹も最初はお母さんが働いて購入したエレクトーンを使っていたんですよ。
こうやって引き継ぐことに私はとても縁を感じます。
自分が昔習っていたからといって、その子供が同じ習い事をするとは思わないですよね。
さらに自分が練習に使っていたピアノを母になって息子がまた練習に使うなんて、子供の頃は考えてもみなかったことです。
このお母さんだってピアノに関していい思い出も、そうじゃない思い出も(笑)あるでしょう。
息子さんがやりたいと言い出し、たまたま近所に私がいて、体験レッスンにみんなで来てくれて、楽しかったからやってみる!となり、山あり谷ありですが続いて、ピアノも運んで・・・
もっとさかのぼれば、おばあちゃまがピアノを習わせようとお母さんをその恩師に託さなかったら、このピアノはないです。
恩師からお母さんへ、そして息子へ・・・
今度はどんな音を出すのでしょう。
ピアノを迎えたお家の方が必ず言う言葉があります。
「あんなに力強く弾いていたんですね」
力強いですが、男子は皆優しい音を出しますよ。
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